マッコウクジラ研究所

泳ぎ方から分かってしまうクジラの肥満度:授乳により低下した肥満度は数カ月の摂餌では回復しない – マッコウクジラ研究室
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泳ぎ方から分かってしまうクジラの肥満度:授乳により低下した肥満度は数カ月の摂餌では回復しない

海洋の高次捕食者である鯨類の栄養状態は、海の豊かさに大きく影響されます。餌がたくさんあればよく太り、餌が少なければ痩せてしまいます。しかし、海で自由に遊泳するクジラの栄養状態を、殺さずに調べることは出来ません。そこで、私たちは、動物に取り付けた記録計により、泳ぎ方から肥満度を推定する手法を開発しました。脂肪は水の密度より軽いので、太っていれば浮きがちに、痩せていれば沈みがちになります。摂餌海域(餌を食べるためにいる海域)にいる間、順調に太っていく季節変化が推定された肥満度には現れていました。また、授乳中のメスが最も痩せており、数カ月間の摂餌では子育てにより低下した肥満度は回復しないことが分かりました。
この研究により確立された、動物を傷つけない肥満度推定法は、高次捕食者である鯨類の保全にも役立つと考えられます。
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