バイオロギングを使って、クジラの行動を調べるうえで一番の難関は記録計の取り付けです。海で自由に泳いでいる生き物、ましてマッコウクジラのような体長10メートルを超える大きな動物を捕まえて、記録計を接着剤で背中にくっつけるわけにはいきません。
そこで、私たちは吸盤を使っています。クジラやイルカの肌は比較的つるつるしているので吸盤がよくくっ付きます。クジラの種類によって、よく付く吸盤の大きさや材質にも違いがあります。マッコウクジラにはカナダのホームセンターで売られている車のルーフキャリア用の吸盤がよく付きます。この吸盤を使って、マッコウクジラに記録計やカメラを取り付けるためのタグを作ります。
タグを長い棒の先や矢の先に取り付けて、狙いを定めてクジラの体にペタンと取り付けます。